

先生、一般貨物自動車運送事業許可の要件を簡単にしりたい。

今回は、こんな要望にお応えしていく為に、早わかりを作りました。
一般貨物自動車運送事業許可 要件早わかり
要件は大きくわけると3つ
- 人(ドライバー・運行管理者・整備管理者・欠格事由・法令試験)
- 物(営業所・休憩所・車庫・車両)
- 金(事業資金・自己資金)
こちらの記事は、一般貨物自動車運送事業許可の要件について簡単に知りたい方向けとなっています。
詳細等をご確認されたい場合、関連記事をご覧ください。
また、記事の後半には、要件の満たす順序も載せています。
人の要件早わかり
許可要件の中で、最も難易度が高いのが人の要件です。
人の要件の早わかりは下記のものになります。
- ドライバー×5人
概要:整備管理者と兼任可能。(運行管理者と兼任不可能)
- 運行管理者×1人
概要:常勤の運行管理者1人が必須。整備管理者と兼任可能。(運行管理者資格が必要)
- 整備管理者×1人
概要:常勤の整備管理者1人が必須。ドライバーまたは運行管理者と兼任可能(整備管理者選任前研修を終える)
- 欠格事由に該当しない
概要:申請者(法人ならば役員等)が法律で定めらている内容に該当しない。(※該当すると許可が取れない)
- 法令試験に合格
概要:申請者(法人ならば役員1人)が受ける試験。(不合格の場合、許可が取れない)

以下より概要についてPOINTを抑えつつ簡潔に説明していきます。
ドライバー×5人
運送業許可を得るにためには、必要なドライバーの人数が決まっています。
その人数が最低5人となりますが、非常勤の方などは含まれない為、ご注意ください。
「運輸開始届出(新規許可取得後1年以内)」までに満たす必要があります。
※雇用予定でも申請可能。
運行管理者×1人
運行管理者は、1つの営業所につき1人必要と決められています。
主な業務内容としては、ドライバーの健康チェックや日報チェックなど、多岐に渡ります。
この為ドライバーとの兼任が出来ません。
整備管理者×1人
整備管理者は、トラック(車両)の数が29台までなら1人と決まっています。
30台増えるごとに、1人ずつ増やす必要があります。
主な業務内容としては、事業で使う車両のチェックを行います。

運行管理者及び整備管理者は特定の条件を満たした方しかなれません!
特定の条件
運行管理者及び整備管理者になる為の特定の条件が以下のものになります。
それぞれ条件が異なる為、ご注意ください。
欠格事由に該当しない
欠格事由とは、簡単に述べると「法律上、事業者になれる資格があるのか」ということになります。
例えば前科がある場合、処罰対象になってから5年以上経過しているかが目安になります。
また、前科がなくても、一般貨物運送業許可の取消処分を受けた方も、それから5年経過している必要があります。
上記のものは、ごく一部のものとなっており、他にも多くの欠格事項が存在しています。
どれか1つでも該当すると、一般貨物自動車運送事業許可を得ることが出来ませんので、必ずご確認ください。
詳しくは、こちらの関連記事「欠格事由」をご覧ください。
法令試験に合格
一般貨物自動車運送事業許可を得る上で、最後の関門となるのが「法令試験」になります。
後術にて申請の流れについて述べていますが、一般貨物自動車運送事業許可を得るまでの流れとしては
各要件を満たす→申請→審査→法令試験→許可取得となる為、せっかく要件を満たしても法令試験で不合格となれば許可は得られません。

許可を取る為には法令試験に合格が必須となります。
法令試験には以下の注意点があります。
- 受験対象者が事業主(または常勤の役員1人)と定められており、同時に複数の人が受けることが出来ない
- チャンスが2回しかない
1度の申請で2回までしか受けられません。
3回目の場合は再度申請のし直しになります。
その間、資金を維持しておく必要がある為、事業者様としては苦しい状態が続く形になります。
試験の日程及び試験内容については「法令試験」をご覧ください。
物の要件早わかり
許可要件の中で、様々な法律に関わってくるのが物の要件です。
物の要件の早わかりは下記のものになります。
- 営業所
概要:施設基準を満たしたものが1つ以上必要
- 休憩(睡眠)施設
概要:施設基準を満たしたものが1つ以上必要
- 車庫
概要:施設基準を満たしたものが1つ以上必要
- 車両
概要:用途が「貨物」になっている車両が5台必要

物の要件には施設基準が定められています。
施設基準は車庫以外は共通している為、参考にしましょう。
施設基準(営業所・休憩施設共通)
- 車庫との距離10km以内
- 用途地域以外
- 市街化調整区域以外
- 農地以外
- 使用権限
- 建築基準法・消防法に適合
営業所
事業を行う場所になる為、必ず用意しなければいけません。
営業所の要件には、施設基準以外に「広さ」の決まりがあり、机と椅子が置ける広さが必要になります。
各・施設基準の詳しい内容は「営業所」をご覧ください。
休憩施設
施設基準の他に、従業員が休憩できるスペースが必要になります。
営業所と併設可能。
睡眠が必要な事業の場合は「休憩(睡眠)施設」をご覧ください。

車庫の施設基準が以下のものになります。
施設基準(車庫)
- 営業所との距離10km以内
- 広さ(車庫と車両・車両同士の間隔が50cm以上必要)
- 前面道路の幅(6.5m以上)
- 車両制限令による車両の幅
- 農地以外
- 使用権限
車庫
上記の施設基準を全て満たしたものしか使用できせん。
施設基準の他に、所持している事業自動車を全て収容できるスペースが必要になります。
スペースが足りない場合、施設基準さえ満たしていれば、車庫を数カ所にわけることも可能です。
詳しくは「車庫」をご覧ください。
車両
事業で使用する以下の要件を満たした車両が必要になります。
- 車検証の用途が「貨物」になっている
- 事業内容に適した車両
- 車検証の所有者(使用者)が申請者(または法人)名義
トラック以外の車両や、購入・リースに関わらず使用可能です。
ただし、使用するにあたって車両の条件や、車庫との要件も関係してくるため車両選びは慎重に行う必要があります。
詳しくは「車両」をご覧ください。
お金の要件早わかり
許可要件の中で、最も頭が痛くなるのが金の要件です。
お金の要件の早わかりは下記のものになります。
- 事業資金
概要:事業資金×6ヵ月分+税金・保険料の1年分
- 自己資金
概要:事業資金を上回る金額
- 合計額
1,500~2,000万円

以下より、資金の詳細について説明していきます。
事業資金
事業資金とは、事業を行う上で、かかる費用=経費のようなものになります。
事業資金に含まれるのが、以下のものになります。
- 人件費(給与+各種保険料+賞与+手当×6ヵ月分)×人数分
- 燃料費(ガソリン単価×6ヵ月分)
- 油脂費(燃料費3%込み)
- 修繕費(6カ月分×車両台数)
- 車両費(一括購入金額(分割購入=頭金×1年分)又はリース料(1年分)
- 施設使用料(一括購入金額)(分割購入=頭金×1年分)又は賃貸料1年分)
- 備品費(トータル購入金額)
- 施設賦課税(自動車税及び自動車重量税1年分)
- 保険料(自賠責・任意保険1年分)
- 登録免許税(12万円)
- その他(光熱費・水道代・運搬費など)
上記全てを足した合計金額が「事業開始時に必要な資金」になります。
詳しい内訳及び計算の仕方については「資金」をご覧ください。
自己資金
自己資金は、ご自身の預貯金になります。
具体的に必要な目安としては、事業の規模にもよりますが1,500~2,000万円となります。(融資金も自己資金に含まれます。)
金融機関で発行して貰う「残高証明書」により、預貯金の証明をしますが、全部で2回(申請時と申請後に)提出します。
もしも、事業開始時に、事業資金より自己資金が下回った場合、許可が下りない可能性が高くなる為、許可取得まで維持しなければなりません。
詳しくは、「資金」をご覧ください。
申請から営業開始までの流れ
ここでは初めての方に向けて、申請から営業開始までの流れをご説明していきます。
運送業許可取得の要件を満たす
先述している「人・物・金」の要件を満たす。
申請に必要な書類の作成
要件を満たしたのち、それに沿った内容の書類作成。
運輸支局への提出後、運輸局の審査を受ける
奈良運輸支局に提出。(※書類に不備があると受理されません。)
法令試験の受験・合格
提出書類の受理後、最初の奇数月に法令試験を受け合格。
近畿運輸局での書類審査
近畿運輸局での書類審査。(審査の標準期間は2~3カ月)
一般貨物自動車運送事業許可取得
書類審査が問題なければ、一般貨物自動車運送事業許可の通知書が送られてきます。
登録免許税の納付
通知書を受け取った後で、登録免許税の納付を行います。(金融機関のみの取り扱いになります。コンビニ不可)
運行管理者および整備管者の選任届出の提出
人の要件で選任している「運行管理者及び整備管理者」の氏名を記入し提出。
運輸開始前の確認報告
運輸開始前の確認報告を提出。
車両の登録(緑ナンバー)
晴れて緑ナンバー取得。
運輸開始届出書の提出
運輸開始届出書を提出。
運賃料金設定届出書の提出
運賃料金設定書を提出後、営業開始。
運送業事業を始めるまでには、これだけのSTEPを踏まなければいけません。
詳しくは「申請の流れと取得の目安期間 」及び「取得後から営業開始までの流れ 」をご覧ください。
また申請書類の書き方や添付書類を知りたい方は「申請書の書き方及び添付書類」をご覧ください。
許可来るやり方でお力になります。
お気軽にお問い合わせください。0742-87-1768受付時間 9:00-20:00 [ 月曜日~土曜日 ]
お問い合わせ要件の満たす順序

要件は分かるけど、どれから始めればいいか分からない

この様なお悩み多いです。
以下にて満たす順序を紹介しています。
1.運行管理者
一般貨物自動車運送事業許可申請で最も難しい要件が「運行管理者」です。
運行管理者になるには、運行管理者資格か実務経験5年以上+初回に基礎を含む講習を5回以上受けている人しかなれません。
資格を取るには運行管理者試験に合格する必要があります。
それにも受験資格が必要となり、誰でも受けられるわけではありません。
仮に名義貸し等で申請を乗り切っても、営業後に訪れる巡回指導で監査対象となり、そのまま許可取消処分に至る可能性が高くなります。
2.整備管理者
運行管理者同様、一般貨物自動車運送事業許可の必須条件になっています。
整備管理者の場合、運行管理者のような資格が必須ではありません。
しかし、こちらも誰でもなれるわけではなく1~3級の整備士資格所持者か2年の実務経験+整備管理者選任前研修を終えたものしかなれません。
資格所持者がいれば一番早いですが、もし資格所持者が不在の場合、雇用か実務経験+研修で選任する必要があります。
整備管理者選任前研修の開催日程及び参加人数が限られている為、うまくタイミングが合わないと、その分許可が下りるのが遅くなります。
3.資金(トータル2,000万円ほど)
上記2つを進めながら、資金の調達(貯める)必要があります。
これは営業開始後(許可取得後)問題なく運営し続けられる財力があるか?のチェックも兼ねている為、資金は多ければ多いほど許可の取得が早くなります。
極端に言えば資金さえあれば、全ての要件を満たすことも可能になります。
とはいえ高額な金額を用意するのは難しい話です。
だからこそ無駄を除き、少しでも資金を残す必要があります。
4~7.ドライバー及び各施設
上記3つをクリアできれば、ドライバー・営業所・休憩施設(睡眠施設)・車庫の要件を満たしていきます。
特にドライバーは5人も必要になり、ドライバーの人手不足が嘆かれている昨今では、なかなか難しい人数になります。
だからこそ、営業所など各施設を探しつつ、ドライバーも探すという同時進行がベストといえます。
各施設においては安易に決定せず、施設基準を満たしているかなどを調べた上で契約しましょう。
8.車両
要件で最も優先順位が低いのが車両です。
最初から車両をお持ちの方は別として、初めから車両を用意される場合、まずは車庫を見つけましょう。
車両にあった車庫より、車庫にあった車両を見つける方が選択の幅が広がる為、比較的入手しやすくなります。
まとめ
一般貨物自動車運送事業許可取得の要件の多さにビックリされた方も多いと思います。
簡単に許可が取れないからこそ、難しいと呼ばれている一般貨物自動車運送事業許可。
運送事業を始める上で必須となります。
- 少しでも早く許可が欲しい。
- 失敗せずに許可を取得したい。
この様な相談者様は、ぜひ当事務所へご連絡下さい。
気になる費用については下記をご参考下さい。
費用
450,000円~※フルサポート価格
その他にかかる費用(実費)
- 登録免許税12万円
- 印紙・ナンバー代1万円
新規許可申請~許可取得後までをフルサポート価格となります。
※巡回指導は別途扱いになります。
尚、とにかく費用を抑えたい!といった方には400,000円~プランもございます。
詳しくは、こちらの料金表をご確認ください。
お急ぎの方は、下記資料を事前にご用意頂けるとスムーズです。
- 営業所の住所や詳細がわかる地図および使用承諾書
- 車庫の住所や詳細がわかる地図および使用承諾書
- 使用する事業自動車(全部)の車検証のコピー(決まっている数だけでも大丈夫です。)
- 運行管理者資格証のコピー(あれば)
- 整備管理者選任前研修修了証のコピー(下記の国家資格整備士資格証があれば不要)
- 国家資格整備士資格証のコピー(上記の整備管理者選任前研修修了証があれば不要)
- 運行管理体制の情報(あれば)
対応地域
奈良県全域。大阪府、京都府でお考えの方は、一度ご相談ください。
お気軽にお問い合わせください。0742-87-1768受付時間 9:00-20:00 [ 月曜日~土曜日 ]
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