運送業許可要件 整備管理者
奈良太郎

前回の「奈良県運送業許可要件|運行管理者になるには?」に続いて「整備管理者」を探している。

僕は車が好きだし自分でもいじっていたから整備管理者になれない?

山之内清孝
山之内清孝

残念ながら、それだけでは整備管理者にはなれません。
整備管理者も運行管理者同様、条件を満たす必要があります。
その1つに「整備士の資格を有するもの」があります。

奈良太郎

資格は持ってないから僕じゃ無理?

山之内清孝
山之内清孝

いいえ。資格がない方でも特定の条件を満たせば可能です。

以下より詳しく解説していきます。

奈良県で運送業許可に必要な整備管理者。

整備管理者になるには「有資格」か「実務経験+研修」の2通りがあります。

後者の「実務経験+研修」でなる場合、整備管理者選任前研修を受ける必要があります。

以下より整備管理者選任について詳しく解説していきます。

整備管理者

整備管理者とは?

運送業許可を得るには運行管理者同様、外せないのが整備管理者です。

名前だけで何となく車両に関する仕事なのかな?と予想できますが、車両の整備だけでなく車両や車庫の管理も行います。

整備管理者の業務内容は以下のものになります。

  • 日常点検について、その実施方法を定め、それを実施すること又は運転者等に実施させること
  • 日常点検の実施結果に基づき、自動車の運行の可否を決定すること
  • 定期点検について、その実施方法を定め、それを実施すること又は整備工場等に実施させること
  • 上記以外の随時必要な点検について、それを実施すること又は整備工場等に実施させること
  • 日常点検、定期点検又は随時必要な点検の結果から判断して、必要な整備を実施すること又は整備工場等に実施させること
  • 定期点検又は前号の必要な整備の実施計画を定めること
  • 点検整備記録簿その他の記録簿を管理すること
  • 自動車車庫を管理すること
  • 上記に掲げる業務を処理するため、運転者及び整備要員を指導監督すること

簡単にまとめると以下の通りです。

  • 日常・定期・その他の点検・実施を計画管理し記録に残す。
  • 運行に自動車の使用可能か?といった判断。
  • 車庫などの管理。
  • 上記の業務内容について、ドライバーや整備に関して指導する。

整備管理者に選任された場合、2年に1度「整備管理者選任後研修」を受ける必要があります。

整備管理者になるための資格は?

  • 2年の実務経験+整備管理者選任前研修での選任
  • 整備士資格で選任

上記どちらかでなることができます。

2年の実務経験+整備管理者選任前研修での選任

運送事業などで整備管理業務や点検・整備の経験が2年以上あり、尚且つ整備管理者選任前研修を受ければ「整備管理者」になることができます。

実務経験なら何でもいいわけではなく以下のような規定があります。

  1. 整備の管理を行おうとする自動車と同種類の自動車の点検・整備。
  2. 整備の管理を行おうとする自動車と同種類の自動車の整備の管理に関する実務。

※同種類➡自動二輪車以外か自動二輪車の2種類のみ

1か2のどちらかでの実務経験が2年以上あれば整備管理者選任の実務経験として認められます。

ただし同種類の自動車とありますので二輪自動車のみしか扱ったことがない場合、一般貨物運送事業での整備管理実務には該当しません。

上記2つの実務をより詳しく述べると以下のものになります。

点検・整備

  • 整備工場で整備要員として点検・整備を行っていた。
  • 自動車運送事業で整備実施担当者として点検・整備業務に付随していた。
  • 整備管理者として車両管理業務を行っていた。

整備の管理に関する実務経験

  • 整備管理者の経験
  • 整備管理者の補助者として車両管理業務を行っていた。

実務経験が2年以上あった場合、それを証明する為の証明書が必要になります。

証明書は実際に実務経験を積んだ職場から貰う必要があります。

倒産やトラブルなどにより証明して貰えないといった事例もありますのでご注意下さい。

整備管理者選任前研修

運輸支局が開催している研修で「実務」で資格を有する場合「整備管理者選任前研修」を終えている必要があります。

各運輸支局により開催回数は異なりますが、概ね年に数回開催しているところが多いです。

研修時間は約2時間で試験などはありません。

整備管理者選任前研修の流れとしては「申込み➡受講➡修了証➡終了」になります。

整備管理者選任前研修の定員数が決まっている為、早めに申し込みされた方がいいでしょう。

受講はどの運輸支局で受けても問題ありませんので、少し遠くても受講可能な場所に空きがあれば、そちらで受講することも可能です。

運輸支局から貰った修了証実務経験証明書の2つがあれば整備管理者になることができます。

奈良県での開催日程は「奈良運輸支局HP」から確認できます。

奈良県の場合、開催回数が少ない為、ご自身のタイミングと合わないときは、他の運輸支局で参加してみてください。

参考までに近畿運輸局管轄の「大阪運輸支局HP」「京都運輸局HP」「和歌山運輸支局」を載せておきます。

日程が限られている為こまめに確認することをオススメします。

整備士資格で選任

もともと整備士資格1~3級を所持していれば資格だけで整備管理者になれます。

ただし、この場合「技能検定に合格している」ことが前提になります。

具体的な資格

  • 一級大型自動車整備士
  • 一級小型自動車整備士
  • 一級二輪自動車整備士
  • 二級ガソリン自動車整備士
  • 二級ジーゼル自動車整備士
  • 三級自動車シャシ整備士
  • 三級自動車ガソリン・エンジン整備士
  • 三級自動車ジーゼル・エンジン整備士

今から取ろう!といきこんだとしても、実務経験がないと取れない資格も存在している為、現実的ではありません。

有資格所持者以外は資格以外で取る方法を選択される方がいいでしょう。

念のため奈良県での「受験及び受講資格表を載せておきます。

もしかして?と思いの方はご確認下さい。

整備管理者の必要な人数は?

営業所1つにき、整備管理者1人が必要と決められています。

ただし運行管理者のように車両の数により人数を増やす必要はありません。

営業所の数と同じ人数が必要と覚えておかれるといいでしょう。

とはいえ、整備管理者1人に対し車両の数が何10台もあった場合、全て1人で行うのは大変です。

整備管理者の負担を減らす為にも下記で述べる「整備管理者補助者」を選んでおかれるといいでしょう。

整備管理者補助者

整備管理者補助者は、運行可否の決定及び日常点検の実施・指導など日常点検に関わることができます。

整備管理者補助者になるには以下のどちらかを満たす必要があります。

  • 整備管理者になることが出来る人
  • 整備管理者(または資格要件を満たす者)が研修など行い十分な教育した人

具体的な教育内容については以下のものになります。

  • 整備管理規定の内容
  • 整備管理者選任前研修の内容
  • 整備管理者選任後研修の内容
  • 改正後の整備管理規定の内容
  • 行政から提供された情報など

整備管理者補助者を選任した場合、上記以外でも整備管理者は業務に必要な情報などを前もって伝えておく必要があります。

また、整備管理者補助者から受けた報告は必要に応じて記録に残し保存しておく必要もある為、補助者名を掲示し従業員全員に教えておく必要があります。

整備管理者が兼任可能なのは?

運行管理者やドライバーとの兼任が可能です。

ただし「整備管理者補助者」との兼任はできません。

従業員や資金に余裕がない方は、ドライバーもしくは運行管理者と兼任されると事業開始時のコストを抑えることができます。

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