運送業許可要件|車庫の選び方
奈良太郎
奈良太郎

奈良県で運送業許可を取るために、車庫を用意しないといけない。
営業所は自宅にしたけど、車庫はさすがに自宅とは兼用できないから付近の駐車場を借りようと思うんだけどいけるかな?

山之内清孝
山之内清孝

駐車場を借りることに問題はありません。
ただ営業所からどれくらい離れているのか?
広さや車両制限令に適合しているのか?

といった事が絡んでくるため即決はオススメできません。
以下より詳しく解説していきます。

奈良県で運送業許可(一般貨物自動車運送事業)を始める上で必要になる車庫(駐車場)には営業所との距離や広さ。
また車両制限令や道路幅員といった様々な法律が絡んできます。
これら全てを満たした車庫でなければ、一般貨物自動車運送事業許可の申請ができません。
運送業許可を得る上で、車庫選びもとても重要になります。

車庫と営業所の距離

一般貨物自動車運送事業を始める上で必要になる車庫(駐車場)

原則車庫は営業所と併設すると決まっています。

とはいえ絶対ではありませんので一定の距離以内であれば使用可能です。

距離の目安は各運輸支局で違いはあるもの概ね直線距離で5~20km以内となります。

こちらでは近畿運輸局での決まりを載せていますので参考にしてみて下さい。

奈良県

奈良市:直線距離で10km以内

奈良市以外:直線距離で5km以内

大阪府

大阪市:直線距離で10km以内

大阪市以外:直線距離で5km以内

京都府

京都市:直線距離で10km以内

京都市以外:直線距離で5km以内

兵庫県

神戸市:直線距離で10km以内

神戸市以外:直線距離で5km以内

和歌山県

和歌山市:直線距離で10km以内

和歌山市以外:直線距離で5km以内

滋賀県

大津市:直線距離で10km以内

大津市以外:直線距離で5km以内

基本的に人口の多い市内は直線距離が10km以内となり、その他の府県内は5km以内と覚えておかれるといいでしょう。

車庫の広さ

車両の大きさにより車庫の広さも違ってくる為、一概には言えませんが近畿運輸局では「車両と車庫の境界線及び車両相互間の間隔が50cm以上確保され、且つ計画する事業用自動車のすべてを収容できるものであること。」と定められています。

具体的にあげると以下のものになります。

  • 壁・境界線・隣の車両との間が50cm以上空いている。
  • 事業用自動車を全て収容できる。(1カ所で収容できない場合、複数に分けて収容しても良い)

この2つが「広さ」の基準を満たす要素になります。

この中で1つ注意する部分があります。

事業用自動車を1カ所の車庫で収容できない場合、複数の車庫にわけて収容できますが、この場合使用する全ての車庫が要件を満たしている必要があります。

車両が大きければ大きいほどスペースも必要になります。

最低でも、ご自身が使用される車両の寸法(縦と横)に+1mずつあわせた空間が必要になると考えられるといいでしょう。

奈良太郎
奈良太郎

月極を借りようと思っていたけど縦と横に+1mずつもあると結構厳しいところがあるね。

山之内清孝
山之内清孝

そうですね。2台分借りて1台分にすることも可能ですが月々の費用を考えると自動車そのものを小型にされるか、広い場所を借りて全て置かれる方が費用の節約になるかもしれません。

車両制限令

余り聞きなれない言葉かもしれませんが、車両制限令とは、道路法第47条第1項に基づき、道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため、通行できる車両の制限を定められた政令になります。

車両制限令により決まっているのが以下のものになります。

  • 車両の幅等の最高限度
  • 車両についての制限の基準
  • 幅の制限
  • 総重量、及び輪荷重の制限
  • 路肩通行の制限
  • 通行方法の制限

など車両に関する規定になります。

特に、この中で運送業許可を得る上でポイントになるのが車両の幅です。

市街地区域内の道路か市街地区域外の道路かにより車両の幅が異なります。

特に「市街地区域内」は交通量も多いため規制が厳しくなります。

これにより車庫の出入り口道路(前面道路)が公道の場合、必要幅員が定められています。

また私道であっても「通行承諾書」と「幅員証明」が必要になります。

車庫の前面道路の幅

上述の車両制限令で触れていますが、車庫の前面道路の幅が定められています。

前面道路といっても、単に車庫の出入り口部分とは限りません。

ここでいう前面道路とは一番近い公道のことになります。

公道とは「道路法上の道路」となる為「臨港道路、農道、林道、私道」は含まれません。

つまり出入り口道路が私道だった場合、その私道を通り過ぎた先の公道部分が「前面道路」になります。

前面道路=出入り口道路と考えやすいため気を付けましょう。

必要な前面道路の幅ですが、先ほど述べた通り「市街地区域内」か「市街地区域外」かにより幅が異なりますがポイントを絞ると以下のものになります。

  • 国道の場合は幅員寸法不問のところも多い
  • 基本的には6.5mの幅員があれば幅2.5mまでの車両の通行は問題なし

道路の幅員を確認する際は、ご自身で測定するのはなく道路管理者が発行する道路幅員証明書を取得し、そちらに記載されている「道路幅員証明書」にて幅員が何mかを確認して下さい。

また国道のところは不問が多いため幅員証明書は必要ありません。

前面道路に出るまでが私道だった場合は一般貨物自動車運送事業に使用する車両が私道を通行してもよいという承諾書が必要になり、書面にて残す必要があります。

奈良太郎
奈良太郎

前面道路が6m以上なければ車庫として使えない?

山之内清孝
山之内清孝

一概にそうとは言えません。

例えば車両制限令第6条(市街化区域外)の第1項道路であれば、車両の幅が2.5mで前面道路が3mあれば問題ありません。

この様に市街地区域内か市街地区域外かによっても必要な幅員が異なります。

参考までに車両制限令(第5条と6条)を載せておきます。

市街地区域内(車両制限令第5条)の場合

  • 第1項:一方通行または極少指定道路の場合「(道路幅員‐0.5)以下の車両幅」
  • 第2項:市街地区域内の第1項の道路以外の道路「(道路幅員-0.5)÷2の車両幅」
  • 第3項:駅前、繁華街等歩行者の多い道路「(道路幅員-1.5)÷2の車両幅」

市街地区域外(車両制限令第6条)の場合

  • 第1項:一方通行または極少指定道路の場合「制限なし」
  • 第2項:一方通行または概ね300以内の区間ごとに待避所があるもの「(道路幅員-0.5)以下の車両幅」
  • 第3項:上記以外(道路交通量が多いため待避所のみでは車両のすれ違いに支障がある道路も含む)「道路幅員÷2以下の車両幅」

車庫に使用できない場所

当然ですが車両制限令に触れてしまう場所は使用できません。

また、それとは別に「農地 (田・畑)」部分も使用できません。

山林や雑種地は使用できます。

営業所や休憩施設等とは違い「市街化調整区域」を使用することも出来ます。

有蓋車庫(屋根付き)である必要はなく無蓋車庫(屋根なし)でも前面道路の幅員などを満たせていれば使用可能ですが、市街化調整区域内にある場合、都市計画法や建築基準法なども絡んでくる為費用がかさむことがあります。

車庫選びでの注意点:使用権限

奈良県運送業許可要件|営業所の選び方」でも詳しく触れていますが車庫にも使用権限が必要になります。

特に賃貸の場合、契約期間が「許可が出る日から2年以上」必要になる為2年未満の場合使用権限が認めらません。

ただし自動更新契約になっていれば2年未満でも問題ありません。

また契約上の使用目的が「駐車場」または「車庫」になっている必要があります。

それ以外の目的になっている場合は運送業の車庫としては認められない為注意しましょう。

その他にも面積にも注意する必要があります。

車庫の要件に「広さ」の規定がある為、必要な面積を満たせているかの確認もしましょう。

車庫選びでの注意点:間借り

他の運送会社さんが使用していない車庫の一部を自社の車庫として使用される場合を間借りといいますが、この場合は一般貨物自動車運送事業の車庫として許可が下りている場所は使用できません。

ただし間借りされようとしているところが、同じ敷地内でも区画が分かれているところや運送業許認可の車庫から外す手続きを行っていれば使用可能です。

車庫選びでの注意点:運送会社の車庫を再利用

元々、運送会社の車庫として使用されており、現在空いている場合そのまま再利用しようと考える方も少なくありません。

しかし運送会社の車庫だからといって確実に要件を満たせているとは限らないのです。

なぜなら無許可のままで使用していた場合もあるからです。

この場合、要件を満たせていない可能性の方が高くなります。

また仮に要件を満たせている場合でも、以前の使用者が車庫の変更届を行っていない場合使用できません。

せっかく見つけても使えなかったといったケースも珍しくありません。

そうなる前に一度ご相談ください。

当事務所は奈良県での運送業許可取得をメインでしている数少ない行政書士事務所です。

サポート内容

  • 許可要件の調査。
  • 申請書類作成及び提出。
  • その他不随する業務。

費用

400,000円から新規許可申請をサポートしています。

各・要件の調査及び不随する書類の作成・提出の代行。

許可に必要な法令試験対策など許可取得に欠かせないものをサポートしています。

相談者様のスケジュールに合わせてご対応させて頂きます。

費用につきましては許可取得後にお支払いして頂く為、相談者様が損をすることはありません。

許可が取得できなかった場合、代金は頂きませんので、ご安心ください。

また新規許可申請以外にも、営業所(車庫)の増設・各種変更届・巡回指導対策なども行っております。

詳しいサービス内容については、こちらの料金表をご覧ください。

無料相談もしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

※対応地域:奈良県全域。

「大阪」「京都」でお考えの方は、一度ご相談下さい。

お気軽にお問い合わせください。0742-87-1768受付時間 9:00-20:00 [ 月曜日~土曜日 ]

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